詩と哲学的エッセイ〜楽に生きるヒント〜

心から湧き出た詩から楽に生きるヒントを読み解きます。

そばにいるだけで愛という話。うたこ5'

〜そばにいて〜

そばにいて
ただ、そばにいて
それだけで
それで充分なんだから

そんなふうに
思ってる

何も言わずに
ただそばに…

何も出来ない傍観者

ただ、呆然と
立ちすくみ
手を握ることしか
できなくて

心は固まり
思考は戸惑い
立ちすくむ

笑顔のまま
ふざけあう
心の中と裏腹に

頭の中が
フリーズしてた

何が正しいのか
自信が持てず

涙の箱は
閉じたまま

開け方もわからずに

あの時のまま
時は止まった

そばにいて
ただそばに寄り添って
それだけで

それだけで愛は伝わる


3年半前くらいに仲良しのお友達が
乳がんからの全身転移で亡くなりました。

彼女は色々な思いがあり、3年間位、自分が癌であろうと気づきながら、病院にも行かず放置していました。
気付いたときにはもう手遅れの状態で

抗がん剤はせず、自宅で療養をし
4ヶ月後天国に旅立ちました。

すごく強くて自分の事よりも他人の事を気遣える子で、お見舞いに行った私の方を気遣って接待してくれようとするような子でした。

4ヶ月の間、病状は凄いスピードで進みました。
骨に転移していたので、骨折して立てなくなりました。
自分で排泄できなくなりました。
食べれなくなりました。
意識が混濁するようになり、痩せ細っていきました。

私は彼女に会いに、何回も会いに行きました。

その時の事を詩に書いてみました。

何も出来ず、呆然と、ただそばにいることしかできず、気の利いた事も何も出来ず、言えず
心は固まったままです。
泣く事さえもできずに、思い出しても気持ちはフリーズしたままで。

先日、傾聴のお勉強をする機会があり、その時に教えて下さっている方にふとその時の話をしました。

その時に言っていただいたんです。

何も出来ずに呆然としたまま、気の利いたことも言えなかった。ただ、会いに行くことしかできなかったと。

そしたら、そばにいてあげられたのね
それで充分愛なのではない?
毎日毎日その人の事を考えて過ごしたのよね?
それは、祈りなんじゃない?
と、言ってくださいました。

少し、心の中の涙の箱を出して
涙を流す事ができました。

少しづつ、泣くことが出来そうです。

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